60号 2015年4月発行

 

ヘリ空母「いずも」     大内要三(日本ジャーナリスト会議会員)                

                                                                              

   

                                                                  
 3月25日、ヘリ搭載型護衛艦「いずも」が横須賀で就役した。全長248メートル、基準排水量19500トン、海上自衛隊の艦船としては最大となる。旧海軍の戦艦「大和」が263メートル、空母「加賀」が238メートルだから、それくらいの大きさの軍艦を自衛隊は持つようになったわけだ。ただし旧海軍時代の兵装は大砲が中心だからやたらと重くなって、「大和」なら71660トンもあった。いまや兵装はミサイル中心だから、ずっと軽い。
 この艦が「いずも」と命名されたのは一昨年の進水式のときだが、海上自衛隊の大型艦が旧海軍の艦名を引き継いでいる例にならって、装甲巡洋艦「出雲」の二世ということになる。「出雲」は日露戦争でバルチック艦隊を破るのに活躍し、第一次大戦では地中海まで遠征し、アジア太平洋戦争末まで現役だった。
その「いずも」は最大14機のヘリコプターを載せ、『ジェーン海軍年鑑』では「軽空母」つまり航空母艦の仲間に分類されるだろうが、戦闘のための装備は機関砲くらいしか積んでいない。その代わり100名規模の統合任務司令部を艦内に置く機能を持つ。統合任務とは陸海空三自衛隊をまとめて動かすということだ。
 中谷元防衛相は記者会見で正直に語った。「海上自衛隊のみならず、航空自衛隊や陸上自衛隊の装備、また、司令部要員など多数乗り込んで、合同的な行動ができる。そのための中心的な司令艦、司令のための船になるような機能も備わっております」。
 35床の病院も艦内にあり、手術室もある。甲板はF35B垂直離発着戦闘機の発進に耐えられる。どう考えても「専守防衛」よりも大規模海外派兵を想定して作られた軍艦だろう。しかし同記者会見では「活動する範囲としては、例えば尖閣、あるいは南シナ海、中国沿岸など、どういったところを想定していますか」と聞かれ、「特に行動の正面等の仲間に分類されるだろうが、戦闘のための装備は機関砲くらいしか積んでいない。その代わり100名規模の統合任務司令部を艦内に置く機能を持つ。統合任務とは陸海空三自衛隊をまとめて動かすということだ。
 中谷元防衛相は記者会見で正直に語った。「海上自衛隊のみならず、航空自衛隊や陸上自衛隊の装備、また、司令部要員など多数乗り込んで、合同的な行動ができる。そのための中心的な司令艦、司令のための船になるような機能も備わっております」。
 三五床の病院も艦内にあり、手術室もある。甲板はF35B垂直離発着戦闘機の発進に耐えられる。どう考えても「専守防衛」よりも大規模海外派兵を想定して作られた軍艦だろう。しかし同記者会見では「活動する範囲としては、例えば尖閣、あるいは南シナ海、中国沿岸など、どういったところを想定していますか」と聞かれ、「特に行動の正面等については、特定したものではございません」と答えた。
 再改定される「日米防衛協力指針(ガイドライン)」では、集団的自衛権行使を含む安保法制の整備を先取りして、「西太平洋」での日米共同作戦態勢が合意されると予想される。自衛隊内には米国の戦争への参加を危ぶむ声ももちろんあるだろう。
 いま『ビッグコミック』に連載されている「空母いぶき」(かわぐちかいじ作、惠谷治協力)は、20XX年に尖閣に中国工作員が上陸、翌20XY年26000トン級の空母「いぶき」がF35Bを搭載して就役したところへ与那国・宮古に大挙して中国軍が上陸、米第7艦隊は演習中で来援しない、という物語だ。米軍の抑止力に期待しない自前の防衛力強化を主張したいためのストーリーにも読める。
 共同作戦のためであろうが独自防衛力強化のためであろうが、物騒な軍艦が出現した。(ねりま九条の会会員)

  


その一票で守ろう平和、地域から!

ねりま九条の会は、九条を守る議員が増えることを願って、今回の練馬区議会議員選挙に当たってもアンケートを実施しました。回答者は72名中19名、九条を守ると回答した人17人(別紙)、自民、公明からは今回も回答がありません。
 今回の選挙は選挙後の日米ガイドライン改定、集団的自衛権関連立法、来年の参議院選挙後の憲法改定を考えると大切な選挙です。17人全員の当選を期待しますが、それだけでは過半数に達しません。「多数を占めるには敵の中に味方を作る」(辻井喬)と言われるように、自民、公明の中にも見方を作る努力が必要です。自民、公明の議員の中には九条を守るという人もいますが、公然と反安倍ののろしを上げる勇気がない、政権与党を蹴って出る勇気もない、ばらばらの状態で、公認がもらえなければ選挙も出られない、支持者のバックアップがなければ声に出せないのだろうと思います。
 練馬区議会に陳情した特定秘密保護法廃止、集団的自衛権の閣議決定撤回を求める陳情は審議未了で廃案になり、8000筆が無駄になりましたが、与党多数で否決できるところを否決しなかったところにまだ救いを感じます。 右翼団体「美しい国日本の憲法をつくる会」が地方議会での議決を呼びかけている下での綱引きが続くと思われます。国民全体の「戦争イヤ、九条を守ろう」という大きな世論を巻き起こすことが自民や公明も変えていく源になると思います。それには戦争の原体験を引き継ぐことが何よりです。
 ねりま九条の会は4月29日の「うしろの正面だあれ」の上映宣伝を選挙期間中も実施します。また連休明けに区内九条の会や民主団体、個人の皆さん方と戦争立法に反対する連絡会の発足を呼びかけたいと考えています、ご意見をお寄せ下さい。また7月22日には練馬文化センター小ホールで伊藤真、松元ヒロさんの公演会を開催します、そのために全力を挙げます。
 区内の九条の会の予定は、貫井九条の会が四4月17日に日本の青空上映会を貫井図書館で。新しくできた西武線以南の南田中、石神井町、高野台の九条の会は連休明けに上映会を。大泉九条の会が五月一10日に中東情勢の学習会を。武蔵関九条の会は5月20日に関区民ホールで日本と原発の上映会を開催します。
 下石神井九条の会は6月8日総会を開催します。新たに土支田地域の九条の会員の皆さんに呼びかけ、5月2日稲荷山図書館で顔合わせを致します。身近なところに九条の会を作り、草の根から地道にコツコツ賛同者を広めていくことで安倍政権を確実に追い詰めていくことができると思います。地に落ちたメディアに対抗する最強の根拠地でもあります。うれしいことにねりま九条の会に入会される方が増えています、これからは署名などできることをお願いできればと思います。
九条の会が1000万署名を呼びかけました。これは美しい国日本の憲法をつくる会の1000万署名に対抗したもので5月末を目途にしています、同封の署名簿をどうぞ広げてください。もちろん子どももOKです。

カンパのご協力あり加藤ございました

解釈改憲で戦争をさせない共同行動相談会でつくったチラシ(ふざけんな…)の製作費用のカンパをお願いしたところ、90名の方から250,360円のカンパが寄せられました。カンパをしてくださった方、チラシの配布をしてくださった方、ご協力に感謝いたします。

ねりまに地域九条の会が誕生しました

3月14日、「ポストの数ほど九条の会を」の呼びかけに応えて、南田中、石神井1丁目、高野台の人たちが集まって話し合い、「南高石九条の会」が発足。会長、事務局長を選出して5月連休明けに映画上映会を行うことを決めました。

 

 

シリーズ戦後70年  戦争の時代と戦後を振り返る

敗戦を大人として迎えた人々は90歳を超えておられます。今年はそのような方々に登場していただきますが、ご本人に書いていただけでなく、インタビューや、あるいは以前書かれたものを抜粋して掲載させていだくことも考えています。前号に続いて家永教科書訴訟を支え続けた伊藤文子さんと息子さんを戦争で亡くされた出幸子さんにご登場いただきました。

戦時下の学校教育と私   伊藤文子

 1965年6月12日、家永三郎教授が「教科書検定は違憲、違法である」と提訴しました。私は家永さんのお子さんが卒業したばかりの大泉小学校のPTAの役員をしていましたが、家永さんの「憲法教育基本法を踏みにじり、国民の意識から平和主義、民主主義の精神を摘み取ろうとする現在の検定の実態にたいし、戦争中の悲惨な体験を経てきた日本人の一人としても黙って見逃すわけにはいきません」との言葉に、同じ15年戦争の時代を生きてきた母親として、深い共感を抱きました。 そこで、地域の教師有志とともに、「家永教授の訴訟を守る会」を立ち上げ、学習会を定例化してさまざまな講師をお呼びして学び合いました。学ぶことで私たちは、戦前の国定教科書が戦争政策のもとに、皇国史観や愛国心を育てるために利用されてきたことを知っていきました。
 家永さんは、戦争の真実を次世代に伝えるとともに、男女平等について考えさせることに力を入れておられ、女性の生産的な役割や経済的独立の重要性を認めようとしない露骨な検定に対して戦い抜いてこられました。女性史に関する部分だけでも、2百何10箇所も検定でチェックされ、人間がいかに生きるかや、平等の精神を教える家庭科教科書は、学習指導要領の範囲を超えているとして不合格にされていたのです。
 32年ににも及ぶ長い戦いの末、1997年、最高裁第3小法廷で大野裁判長は「文部省の検定行政に違法あり」と断じたのでした。
 家永先生を支援し、歴史の真実、戦争の真実を教科書にと、運動を広げてきた母親として、勇気と感動を得た判決でした。


憲法・教育基本法に出会う    出 幸子(故人 遺稿より抜粋)

 長男は大学卒業後最初の学徒出陣で岡山の部隊に召集され、早稲田大学在学中の次男は、一八歳に繰り下げられた徴兵令で山口の部隊へ召集される。私は残った家族を連れて空襲のただ中を郷里へたどり着く。田舎とはいえ、古い城下町で広島に近いせいか、毎日B29に見舞われる中で、新参者は食糧はなく、育ち盛りの子どもたちを抱えて東京暮らしの比はなかった。
 8月6日に近くの広島に新型爆弾が落とされたと聞く。近所の知人の家から出征されている若い人の死がもたらされる。
 8月15日の重大発表でついに終戦となる。今までうそ八百の大本営発表とは知りながらどうすることもできなかったもどかしさ。遠く満州にいる息子たちの安否を気遣い眠れぬままにコトコトとなる靴の音に飛び起きる夜もあった。山口にいる部隊は原爆の投下された広島の警備についているときくと又心配になる。
 長男の戦死の報が入ったのは21年の半ばであった。同じ部隊にいたという帰還兵の方から様子をきくと、満州の部隊は、上部の将官たちはほとんど内地へ帰り、下部の兵隊のみ残されていて、8月15日の重大発表の終戦を知らないで、翌16日のソ連兵の越境におどろき戦闘の末、多くの若者たちはいたましい最後をとげたと聞く。上官軍人のあるまじき行動に深いいきどおりと、このような悲劇を二度とくりかえさないために、私は何かしなければならないと深く決意したのであった。〝若い者たちを犬死させてはならない〟と!」

 

後援拒否に屈せず「後ろの正面だあれ」を成功させよう
                
 安倍暴走内閣は、「海外で戦争できる国づくり」を強行しつつあります。今年は戦後70周年。子どもたちと戦争に悲惨さと平和の尊さについて語り合う絶好の機会と思い、4月29日の昭和の日に、練馬のココネリで長編アニメーション「うしろの正面だあれ」の上映会を計画しました。作品は、東京大空襲の火の中に家族を失って孤児となった海老名香葉子さんの体験がモデルです。制作は虫プロダクション、私が監督を担当。二度とふたたび、このような戦争がないようにとの願いを込めて1991年に完成させました。上映会は、ねりま九条の会のみなさんといっしょに準備して来ました。
 そして、練馬区教育委員会に上映会の後援申請に行ったところ、窓口担当者は「九条の会が協力だと後援は難しい」と言い、「九条に反対の方々もいるので、教育委員会は公平性を保ちたい」とのこと。教育委員などの公務員には、憲法の尊守義務(九九条)があります。その立場を、いつから投げ捨てたのか。3月16日に私たちは質問書を提出しました。そして、24日に教育委員会から届いた回答書には、まったく別な理由がありました。
 「都知事選での特定候補者の推薦や支持活動が『ねりま九条の会ニュース』の記載の中で確認されました。特定の主義主張をもって政治活動を行う団体への承認は、教育委員会の政治的中立性を損なうおそれがある」との理由から後援は「不承認」。
 これも極めておかしなことです。政治や選挙の活動は憲法二一条が保障しています。その活動を理由に、選挙戦とは無縁のその後のイベントの後援申請を、不承認とすることこそきわめて“政治的”。教育委員会のこの度の対応は、安倍内閣の戦時体制づくりと深く連動しているように思われます。

 「うしろの正面だあれ」ねりま上映実行委員会 有原誠治


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