58号 2014年12月発行

〈1面〉

沖縄に続き安倍暴走にストップを                  

追い詰められての解散総選挙
 このところ年末になると大きな政治的事件が起きます。今年は安倍首相が解散総選挙に打って出ました。アベノミクスの経済政策の破たんから、遅くなれば麻生内閣の二の舞になる、野党の足元の乱れを見計らい考えた秘策のようです。消費税の先送りはだれも反対しない、争点にもならないから国民は白けて選挙に行かない、投票率は下がり与党の圧倒的勝利が予想されています。アベノミクスはインフレ政策で、円の価値が下がれば輸出は増えるが、輸入品や物価は高くなる。加えて消費税の値上げと、賃金の低下、年金減少、税金、保険料の引き上げ、雇用の破壊、景気はどんどん悪くなる。安倍内閣は株が上がれば支持が上がると考えています。そこで第四の矢として年金財源を株投資に投入する、全国にカジノを作る、こんなばくち経済政策は早晩破綻するのは明らか、株主中心の金融資本主義は資本主義の末路です。経世済民、政治は国民の苦しみを取り除くこと(広辞苑)、飢えさせないこと、戦争しないことにあります(菅原文太)。これに逆効する安倍政権に明るい未来はありません。

集団的自衛権が争点に
 私たち九条の会は第一次安倍政権を倒したと自負しています。第二次安倍政権も憲法九六 条を変えようとしてごうごうたる批判をあびてひっこめました。国民投票では勝てないと判断し集団的自衛権の解釈変更を試み七月閣議決定をしましたが、国民の怒りをそらすため必要な法改正を来年の統一地方選の後にずらしました。しかし沖縄知事選挙での圧倒的敗北、こうして追い詰められた結果の今回の選挙です。安倍首相は今回の選挙に勝てば集団的自衛権を国民が認めたとしてアメリカの戦争に加勢する気でしょう、針の穴でもあけられたらアメリカの求めを絶対に拒否できなくなります。負けられない選挙です。

2年後の参議院選挙で国民投票
 極右の安倍内閣はさらに二年後の参議院選挙で憲法改正国民投票を行い自民党改憲案を通そうと、九条の会に対抗して「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(代表櫻井よしこ、田久保忠衛、三好達)を一〇月一日発足、一〇〇〇万人改憲署名を始めました。また三三の県議会で改憲決議をあげさせています。これに対し九条の会は憲法九条を壊すなの取り組みを全国によびかけました。ねりま九条の会はこれに応え二〇万枚のチラシを配り、年間一一〇回の駅頭宣伝を行ってきました。地域から網の目の九条の会を作り国民過半数を目指します。

勝利は全国民の参加で
 ねりま九条の会は今回の選挙で各候補にアンケートを実施しています。その結果は別掲のとおりです。子どもたちに平和な未来を残すために、全国民の政治参加を促し、自民党の得票を上回る得票を獲得するためがんばりましょう。    (ねりま九条の会事務局長)   
                                 

 

〈2面〉 
第11回ねりま九条の会の総会終わる

 

         2014年11月29日(土)に、ねりま九条の会の総会を、練馬駅前のココネリ研修室で行いました。参加者かから活発な意見が数多く出され、今後の活動に生かされることになります。記念講演として、新潟県加茂市の市長の小池清彦さんが講演をして下さいました。内容は同封の冊子にまとめています。

総会より

 総会の議案書のタイトルは「メイクピース、子どもたちに平和な未来を “安倍政権の戦争する国”を阻止する」です。この一年間は特定秘密保護法に反対する一〇万枚のチラシ配布。集団的自衛権行使容認の閣議決定(七月一日)に対して、集団的自衛権を考える会を立ち上げ練馬区議会に陳情を行い、現在も署名活動をおこなっています。また解釈改憲で戦争させない共同行動相談会をつくり二〇万枚のチラシ配布という驚異的な活動を展開してきました。その他、憲法九条を守るための映画会、講演会をしてきました。そして偶数月には必ず会報を発行してきました。
この二年間にわたる安倍政権は枚挙に暇がないほどの反国民性を示してきました。一一月一六日に辺野古新基地反対を唱える翁長氏がオール沖縄で県知事選を闘い勝利しましたが、その直後安倍首相は突然衆議院解散にうって出て、現在総選挙の真っ最中です。この選挙において練
馬、東京、全国でどれだけ多くの九条を守る公約を掲げる議員を増やせるか、待ったなしの闘いが行われています。駅頭宣伝やチラシの全戸配布にも取り組んでおります。そしてこの闘いはこれからもずっと続いていきます。星の数ほどの九条の会をつくっていきましょう。平和リレートーク、イマジン平和コンサート、講演会、映画上映運動にも取り組んでいきます。
 活動報告、会計報告、会計監査報告、予算案提案、来年の活動方針について質疑応答がありました。会費の納入率が低いのでもっと高めるように工夫する、会報の配達に援助金が出ることの是非について意見がありました。有原誠治さんからは、映画「ブラジルに生きるヒバクシャ」上映の取組の紹介がありました。最後に議長より一括して採決の提案があり、力強い拍手により、すべて可決されました。 

小池清彦氏による記念講演「集団的自衛権と立憲主義」  

 小池さんは元防衛庁長官、官房防衛審議官、教育訓練局長を歴任された方ですが、九条の大切さを説き、『我、自衛隊を愛す故に、憲法9条を守る』等の著書があります。そこで事務局は数年前より講演のオファーを出し続け、ついに総会の記念講演として実現しました。まさに集的自衛権が大問題になり安倍暴走政治に国民の審判が下される総選挙直前に長年の願いがかなうという素晴らしいことが起こりました。
 小池さんは資料(自由民主党の「日本国憲法改正草案」、「憲法解釈の変更により集団的自衛権を容認する閣議決定に対する意見書」など)を準備して、わかりやすく、かつ丁寧にお話をされました。
 その要旨は
①集団的自衛権の行使容認をしてしまうと、平和憲法ではなくなる。アメリカから危険な地域への派兵を要求されたら断れなくなる。大勢の自衛隊員が命を落とすことになる、国の宝である自衛隊員を殺すわけにはいきません。自衛隊の中で、海外派兵に賛成している人はほとんどいない。
②自民党の改憲草案を見ていると、とんでもないと気がつく。民主主義の否定になっている。これでは、明治の憲法に戻ったようだ。憲法とは権力を持った者を国民が監視するものなのに、逆になっているが自民党の草案。こんな国が世界史上にあっただろうか。世界の笑いものになってしまう。

 小池清彦さんから学んだことを糧にして、総選挙では世界の宝、憲法九条を守る政治家を多く当選させたいものです。

〈3面〉 

小池市長との懇談会でこんな話を聞きました

質問一 加茂市議会は市長の安倍首相への意見書は承認されているのですか?
答 「当然承認を得ています。だれも反対する者がいません。市民に対しても知らせているし、全国会議員に手紙と、全県会議員に意見書を渡しています。市長というのは防衛省の官僚よりも力があると実感しました。市民をバックにしているので影響力が全然違います。」

質問二 防衛省には田母神のようなタカ派ばかりがいるのですか?
答 「田母神は私の教えた生徒でした。ゴチゴチのタカ派もいますが、憲法九条で自衛隊は守られているので、憲法守るべきだと考えている隊員も多いですよ。」

質問三 地方自治について国が憲法違反をしているとき、地方がそれをたしなめる必要があると思いますが?
答 「その通りです。憲法の三原則の一つ地方自治はその責務があります。安倍政権は戦後レジームからの脱却とか言って、地方自治体を300ぐらいにまとめて官僚支配を行き届かせるようにしようとしています。反対ですね」。

 

教育から目が離せない   その二

教育基本法が改悪されて八年。学習指導要領の改悪も行われました。政府の狙いは一%のエリートと、九九%の言いなりになる実直な国民の育成と、奉仕活動の強制でしかないと思っています。文部科学省は、現在の教育の危機的な状況は、教育基本法と戦後の民主教育が元凶であると主張し、「平和」「真理と正義」「勤労と責任」「自律する精神」を省き、「国家社会の形成者としての日本人の育成」を強調。「伝統の尊重」「愛国心の育成」「宗教と道徳教育の強化」「国家・社会への奉仕」等をうたっています。民主教育を否定し、戦争する国づくりを進めようとしているとしか考えられません。
 二〇数年を振り返って見ると、教育基本法改悪、道徳の復活、学校五日制、新しい歴史教科書をつくる会の登場、国歌・国旗の強制、学級崩壊、日の丸・君が代問題、いじめ問題、不登校等々、子どもや現場教師を苦しめる材料ばかりが目に付きます。
 しかも、現在も戦争への道に繋がるとしか思えない改革が進められているのです。

・教区委員会制度改革

   
     


 教育委員会は、教育に関する問題について話し合い、その地域にあった具体的なことを決定していく場です、行政はあくまで中立を守って行くべきなのですが、そこに首長が入ることになります。それは国からの命令をストレートに教育委員会に下ろすことに他ならず、教育の中立を侵すことになりかねません。
・道徳が教科になる
 愛国心教育が導入され、徹底されていくことが懸念されます。教育は戦前のように、戦争をするための人づくりに利用されでしょう。
・高校教育に自衛隊が介入 ・高校教育に自衛隊が介入
 集団的自衛権の行使の閣議決定にともなって、高校の教育にも変化が現れてきました。防災訓練(職場体験)の名のもとに、自衛隊駐屯地に高校生が参加、宿泊三日間と自衛隊員と同様の訓練が実施されています。これについて防衛省に質問しても黒塗りの回答しか得られません。


〈4面〉

武谷三男生誕百年記念論文集
「脱原爆・脱原発の源流から」 の共同著作に参加して 

 武谷三男は戦時中の二度の投獄にも屈せず、三段階論を確立し、湯川秀樹の中間子発見と、以後の物理学の発展に寄与した。更に、技術論、原子力三原則、反公害、脱原発、特権と人権等の課題を理論的に究明し、終生、人類の理性を信じ、市民運動を論理的に支えた。
 2000年に亡くなった後生まれた「武谷三男に学ぶ会」はその論議を冊子「連帯の呼び声」として刊行して来たが、今回、彼の生誕百年を記念して論文集「脱原爆・脱原発の源流から」(小野伸尚編)を発行した。
 本書には、武谷思想の創造過程を武谷自身が明かす座談会と、7著者の9論文が収録されたが、後者には私の論文「原子力発電所が引き起こす小児がん(事故時は勿論、通常運転時も)」も含まれている。

 本論文は原発が通常運転でも立地地域に小児がんを引き起こすことをドイツで実施した大規模な疫学調査の結果や、敦賀での現地調査報告等に基づき結論付けたものである。 本書を脱原発、低線量被ばくに関心のある人々に読んで欲しいと願っている。

武谷三男に学ぶ会
〒113─0022
東京都文京区千駄木三〜三一〜一二 みもと事務所内、
電話03(5814)1301 E-mail :info@hani-taketani.com振替番号00100─7─669950
定価(本体900円+税72円)送料164                              乾 知次 (ねりま九条の会会員)


武蔵大学公開トーク  日本の人権状況って何か変? ~国際人権規約と秘密保護法とメディア~
    講師:藤田早苗さん
12月17日(水)16時20分~18時30分(16時開場・入場無料)  
会場 武蔵大学1号館 1001教室
秘密保護法を国際人権法の観点から考えるきっかけをつくり、さまざまな問題提起をしてこられたのが、英国・エセックス大学人権センターの研究員の藤田早苗さんです。国連人 権理事会 での議論を深めるために、藤田さんは目覚しい活躍をされています。今回は特に、国民の知る権利と情報公開、メディアのあり方について語っていただきます。     主催:武蔵大学総合研究所 



【ねりま大望年会】のご案内 

脱原発、憲法、平和、消費税、労働、教育、環境、女性、青年、医療・介護、保育などなど、練馬ではいろんな分野でいろんな活動をしている方たちがたくさんいらっしゃいます。
たまには「ヨコ」につながって交流したいなというつぶやきから、「じゃあ、望年会で顔を合わせようよ~」となりました。
老舗の団体も、市民グループも、どこの団体にも属してない人も、ただちょっと興味があるという人も、どうぞお気軽に立ち寄ってください。
1人でも、仲間を誘っても、団体の忘年会としてジャックすることも、参加のしかたは何でもアリ。
こんな時代だからこそ、人と人とが顔を合わせて語ることを大切にしたいと思います。ぜひご参加ください。

日時 12月27日(土)16時20分〜18時30  会場 ココネリ3階ホール

参加費500円
         参加申し込みは不要
・準備の都合上、参加の目安をお知らせいただけると助かります。持ち込み大歓迎。

             主催:ねりま大望年会実行委員会 協力ねりま九条の会 
           連絡先 こうさか090−9647−2206  大柳 090−2737−5311