47号 2013年5月発行

〈1面〉

沖縄と本土の新聞のトップ見出しの比較       浅海 洋子(ねりま九条の会会員)
         

                                       

  投稿によるミニコミ誌に、数年前から沖縄と本土のトップ見出し記事の比較のページをつくってきた。途中、沖縄の二紙はどちらも夕刊を廃止し、朝刊のみとなったことから、本土の新聞一紙(朝夕刊)、沖縄の新聞二紙(朝刊のみ)の三紙の比較をはじめた。きっかけは沖縄に旅行したときに読んだ地元紙の内容と本土の新聞それとのあまりにもかけ離れた記事の取り上げ方に驚いたからである。沖縄の置かれている地理的位置は日本の一地方紙では済まされない外交内政を含んでいる。沖縄で読んだ記事によって自分の無知を思い知らされることになった。朝日、毎日、読売の全国紙と、ときに東京新聞(地方紙)との比較である。
 平成20年から始め、この数年を振り返って見ると、沖縄は勿論、この国の激しい変化がわかる。一五日間の比較であるが、極めるとその新聞の特徴がよくわかる。オリンピックのことばかり報道したり、ある事情をほとんど無視したたり、どこの国の新聞なのと思うこともある。
 今回2013年1月28日、沖縄はオスプレィ配備反対と普天間基地閉鎖、撤去、県内移設断念を掲げて沖縄全市町村が一致して「建白書」を携えて上京、安倍首相に要請した。基地があることによって島の心を二分してきた中で、全島が一致して行動することは大変なことである。沖縄紙はこのことを数ページにわたって報道しているのに対し、本土の新聞は写真入りで集会の様子を載せていたが、他の一紙はまったく無視、比較に選んだ東京新聞は一面トップではあったが、記事としてはハガキ大の扱い。
 昨年5月15日(本土復帰の日)に、復帰40周年として、全国紙各紙がかなりの紙面を割いてアンケートを交えたりして、沖縄に対して「いじめと差別の復帰」などと訴えていたのは、どうなってしまったのかなと思った。
 「沖縄の新聞は世論を煽っている」と最近、政府関係者が発言していた。 自民党の憲法改正案によれば、表現・集会の自由などの個人の権利より、「公の秩序」が大事にされるようである。沖縄の新聞の主張が何らかの恣意により、すべて「公の秩序」に触れるなどとなったら、民主主義とはほど遠い国になってしまうであろう。


安倍政権がねらう「教育改革」は、戦争への道
    中出 律(桜台在住 練馬九条の会会員)

 教育基本法改悪を強行(2006年12月)した安倍氏が首相の座に返り咲きました。昨年暮れの総選挙で、自衛隊にかわって「国防軍」をつくるなど「憲法改正」をめざすと公約した自民党は、「教育再生」を公約の重要な柱としています。今年一月、首相官邸直属の「教育再生実行会議」が発足しました。

■「全国一斉学力テスト」を
 安倍流の「教育再生」の中身の第一の特徴は、競争主義的な教育をいっそう安上がりに進める、新自由主義的改革の徹底です。
 自民党の公約では、「世界トップレベレル」の学力を実現するために、抽出調査で実施されていた「全国いっせい学力テスト」を、小6・中3のすべての児童・生徒を対象にした悉皆(しっかい)調査に戻すことを主張し、予算請求しました。 「全国いっせい学力テスト」については、学力テストの点数を上げるために、都内のある区の小学校では、学校の平均点が低いので、テストの最中に監督の教師が、間違っている子どもの答案の正答を指さしして自ら不正を働くと言う事態も数年前におきています。アメリカではもっと大胆に、教師が教室の天井に正答をスライドで映し出し、全員に知らせる事件まで、最近おこっています。信じられない状況ですが、校長からの厳しい「指導」に教職員も追い詰められています。

■35人学級実現を阻もうとする安倍政権

子ども・教職員・保護者の願いをふみにじる動きが、早速現れました。少人数学級をすすめる計画が、2013年度政府予算案でストップさせられてしまったのです。民主党政権下では、法改正により、2011年度から小学校1年生の35人学級が実現しました。さらに、2012年度は小学2年生の35人学級が国の予算措置により全国でほぼ実現しました。この成果の上にたって、文部科学省は、「2013年度から5年間で公立小・中学校の全学年で35人以下学級を実現する計画」を概算要求していました。ところが、安倍政権は「『費用対効果の観点』から少人数学級の効果が明らかでない」などとして、新たな教職員定数改善計画を見送ったのです。そもそも、教育を「費用対効果の観点」で考えること自体、大きな問題です。が、少人数学級がヨーロッパなどで素晴らしい効果を上げていることは、明らかです。

■教育の管理統制を強化しようとする「教育再生」

 安倍流「教育再生」の中身の第2の特徴は、管理・強制の強化、教育内容への介入です。一人ひとりの成長・発達を保障し人格の完成をめざすための教育から、「戦争する国」に積極的に協力する「人づくり」のめの教育に変えようとしています。
 子どもに対しては、「愛国心と規範意識を育てる」こと、「国旗国歌の尊重」「ボランティアや自衛隊などの体験学習の必修化」、「道徳の『教科化』」などをあげています。教職員に対しては、「政治的中立を確保」、勤務評定の徹底や「主幹教諭の必置」などとして、統制強化を掲げています。
 すでに、学校では、数値化させられた目標に向かって競争させられ、評価され、分断させられる状況が生まれています。このような学校で、子どもたちが豊かに楽しく学ぶことが可能でしょうか。

■教育内容にまで口を出す

 安倍「教育再生」は、戦争美化の歴史観を子どもたちに教え込むために、教科書検定制度の大改悪を検討しています。さらに安倍首相は、「戦時慰安婦」の強制性を認めた河野談話、侵略と植民地支配の反省を表明した村山談話を見直すとして、国内外から猛烈な非難を浴びせられています.

■高校生は、憲法九条のを生かした平和な社会を求めている

 日本高等学校教職員組合が昨年11月に全国の高校生1万人以上に対して、日本国憲法や現代社会に対して、どのような意識を持っているか調査をして、その結果が5月3日新聞紙上で発表されました。九条に対しては四年前に比べて「変えない方が良い」が二%増加して六三%になりました。 この調査で、愛知の女子高校生は「世界中の戦争をやめて、今現在使われている、これから使われる予定である軍事費をすべて、貧しくて学校・病院に行けない人達がいる国、児童労働をしている国などいろいろな面でお金を必要としている国などに与えるべきだと思います。今から10年の間に、全部が実現したり、すべての戦争・紛争がなくなることは可能性が低いと思いますが、もし先に述べた事がすべて実現したら、世界は平和になり、豊かになると思います」とアンケート用紙に書いています。
日本国憲法の前文の精神を身に着けているこのような高校生が確実にに育っていることを、希望の灯とし、私たち大人も粘り強く頑張りたいものです。                                     
 参考資料…月刊「女性&運動」(2013年4月号)の「安倍政権がねらう『教育改革』とは? 共同の力で反撃を」(長尾ゆり) 「どうする安倍政権の『教育再生』」(子どもと教科書全国ネット二一発行のパンフレット)「2012年度高校生1万人意識調査」のまとめ

     



第12回 「歴史認識と東アジアの平和フォーラム」に参加して
  5月16日から19日まで、韓国光州広域市の金大中コンベンションセンターで開かれた第12回歴史認識と東アジア平和フオーラム光州大会に参加しました。これは光州市主催の5・18光州世界人権市民フォーラムの一環として位置づけられ、市議会議長が連日傍聴されました。日・中・韓三カ国約100人の市民、研究者が参加して、今日の東アジアの抱える領土問題、歴史認識、権力再編などの諸課題についての研究結果が発表され、密度の濃い会議となりました。日・中・韓・北朝鮮四カ国とも政府首脳が一新しましたが、歴史と領土を取り巻く衝突は深刻になっています。安倍政権の右傾化、朝鮮戦争以来の南北の緊張、尖閣列島をめぐる日中の一触即発状態。これらは各政権の不安定さと各国民の不満を外にそらす一種の国際連帯」とも言えます。尖閣問題に火をつけ、軍拡競争を実現した石原慎太郎親子のバックには、軍産複合体のヘリテージ財団や、新自由主義ネオコンのハドソン研究所があり、中国封じ込めの「新東アジア戦略」の筋書きに沿っていたことが明らかになりました。また韓国の右翼(親日派)が日本の右翼と連携し、日本の植民地化は良かったと歴史教科書を変えようとしていることや、安倍政権の軍国主義復活の仕掛けは日本国内だけでなく、アメリカ、韓国の右派との連携があることがこのフオーラムで明らかになりました。
 また教科書の修正や教育制度の改悪が進められ、憲法改悪と機を一つにしていることから、九条改悪反対と教育問題を一体としてたたかう必要がでてきました。一方、この間出版された日中韓三国共同歴史編纂委員会の「新しい東アジアの近現代史」は各国で歴史認識の共有の成果であり、大きな一歩を踏み出したと言えます、ご一読ください。 報告 大柳 武彦(ねりま九条の会事務局長)

 

〈4面〉

東京都議会議員選挙候補者へのアンケート結果     
 
ねりま九条の会は9条を守る議員をふやすために各種選挙でアンケートをとり、結果を会員と有権者に知らせてきました。今回は、9条に加えて96条の改正と、集団的自衛権の行使について質問しました。
練馬の都議定数は6名ですが10名立候補する予定です。このうち1人は連絡先不記載のため9人にアンケートを送り、現在3人から回答がありました。他の方からは回答がありません。参考にしてください。
質問
Q1 あなたは憲法96条改憲に賛成ですか、反対ですか、その理由は?
Q2 あなたは憲法9条2項を変えることに賛成ですか、反対ですか。その理由は?
Q3 集団的自衛権の行使は憲法上許されると考えますか、考えませんか?

答(回答到着順)

柳井 克子(やない かつこ) 
Q1 反対。     最高法規である憲法を変える手続きのハードルを下げるべきではない。
Q2 反対。     平和主義が明記されている条文なので、変えるべきではない。許されない。 
Q3 許されない。 軍事同盟を結んでいる国が戦争をするとき、日本は「自衛ではない」戦争に参加することになり〝戦争放棄〟をうたってい る憲法に違反する。

松村 友昭(まつむら ともあき)
Q1 反対です。  国民主権も形骸化され、立憲主義を否定しかねないから。改憲を主張する憲法学者でさえ96条のハードルを下げたら憲法が憲法でなくなると反対しています。
Q2 反対です。  再び戦争をしないと誓った憲法の核心であるから。
Q3 考えません。 

浅野 克彦(あさの かつひこ)
Q1 反対です。  但し国会の過半数で発議し前有権者の3分の2の賛成という2つ目の方法を提案する
Q2 9条改正について条件付ならやむをえない。自衛隊は違憲であるが必要不可欠。国防軍化は危険だが、自衛隊員の身を守るため条件をつけての武力行使なら9条改正もやむをえない。
Q3 集団的自衛権の行使は現憲法下では難しい、やるなら憲法改正して。そのため複数の改正の道筋を。

藤井 薫(ふじい かおる)
Q1 基本的に賛成ですが、みんなの党が考えると同様、改正の前に優先すべき問題があり、政治改革、公務員削減改革など、実働部隊の改革を先にしなければ、何をやっても結局社会は変わらないと考える。
Q2 賛成
Q3 許されないため、変更が必要と考える。

 

お知らせ

第1回 ねりまDEライブ  

 日時 8月18日(日)昼、夜2回
場所 練馬区役所20階交流会場
出演 ゆうた他ミュージック 入場料1000円
主催 ねりま九条の会、ねりまDEライブ企画

 

ページトップへ