93号 2020年10月発行

アベ政治の継続と九条改憲をを許さない
           菅政権と対決する市民と野党の協同の闘いの構築を!
   
                                                                                   

 2015年9月19日の参議院本会議で、安全保障関連法(戦争法)が自民、公明党などによる強行採決で成立してから5年目に当たる9月19日の前日、「『アベ政治』の継続許さない!九条の会東京連絡会大集会」が、豊島区のとしま区民センターで開催され、約140 人が参加しました。          

ポスト安倍時代における憲法闘争の課題        法政大学名誉教授・五十嵐仁さん

■安倍首相の辞任を招いたアベ政治の行きづまりと国民の怒り

 五十嵐さんは冒頭、「安倍前総理が悪かったのはシンゾー(心臓晋三)でなくチョー(持病の潰瘍性大腸炎)」と切り出し、「辞任の理由は本当に持病の悪化に因るものか」という疑問を多くのメディアも指摘していると述べました。
 安倍総理の辞任表明から、わずか1日で自民党の総裁レースが決着した。モリカケ問題、桜を見る会、河井克行・案里夫妻の公職選挙法違反買収事件、検察庁法改悪案の廃案など行きづまった「アベ政治」を放置すれば、さらに国民の怒りを招くことから、二階自民党幹事長と菅官房長官(当時)が「菅の総裁選出馬」で一致し、それに細田、麻生ら5 派閥が乗り、自民党総裁選はあっという間に決着した。安倍総理辞任→菅新総裁、首相就任の流れは、アベ政治という金権腐敗、国民不在の政治の行きづまりと、それに対する国民の怒りが引き起こしたのだ。

■アベ政治の継承が使命の菅政権

 次に五十嵐さんは、官房長官としてアベ政権を支えた菅首相と、幹事長という自民党の要職にあった二階氏が結託して誕生させた菅政権は、アベ政治の継承をnews94使命とし、行きづまったアベ政治を自民党が継承し、一連の疑惑事件の隠蔽も図る政権であることを強調しました。あわせて菅政権の閣僚の質の悪さと、組閣での情実人事について、こう述べました。
・平井卓也デジタル・IT政策担
当相は、ニコニコ動画で中継された党首討論で、社民党の福島瑞穂党首の発言時に『黙れ、ばばあ!』と投稿した。
・岸信夫防衛相は安倍前首相の実弟で、〝ゴッドマザー〟である実母の洋子さんが入閣を望んでいた。
・平沢勝栄復興・福島原発事故再生相は東大生時代、小学生であった安倍前首相の家庭教師を務めていた。
 さらに、上川陽子氏の4度目の法相就任はアベ案件であるモリカケ・桜疑惑の立件と、スガ案件でもある河井夫妻の選挙買収事件での有罪を回避したい菅首相の思惑が込められている。
 「改憲」についても、菅首相は自民党総裁選に立候補したときのNHK番組で「政府として挑戦したい」と発言し、直後に「党総裁の立場で」と訂正、「改憲」へのこだわりを明らかにした。

■憲法を生かし、「グレート・リセット」の日本を実現する闘い

 続いて五十嵐さんは、昨年夏の参院選と7月の東京都知事選に触れ、こう述べました。 
 私たち市民と野党の協同は、32の全小選挙区で野党統一候補を擁立し、10選挙区で勝利し、それが「安倍改憲」につながった。東京都知事選でも、25の全小選挙区で市民と野党の協同センターが設立された。「協同」は確実に進んでいる。
 最後に五十嵐さんは、安保法制によって改憲が不要になったといわれるほど、戦争をやれる仕組みが進んだという面もあるが、私たちはなお国の平和や安全は軍事ではなく外交によるソフトパワーで守ることを主張していくことが大事である。憲法第12条の「国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって保持しなければならない」という精神を生かす政治をめざし、日本の『グレート・リセット』(GreatReset米国の社会者・リチャード・フロリダの著書で、経済社会秩序の幅広い根本的な変革を提唱)を実現しようと呼びかけました。

 

 

市民と野党の協同で「九条改憲No!」─菅義偉政権と対決する市民の運動 小森陽一さん    

 

 
  九条の会事務局長 東京大学ッ教授
 小森陽一さん
 

■日本の9人の叡智の危機意識から出発した「九条の会」

 次に登壇した小森さんは、まず加藤周一、鶴見俊輔、大江健三郎さんら日本の叡智ともいうべき9人の知識人のアピールによって設立された九条の会の 年の歩みを振り返り、こう述べました。
 2003年3月、アメリカ軍のバクダードへの奇襲爆撃で始まったイラク戦争は、アメリカの「イラクの化学・細菌兵器の大量破壊兵器(WMD)の保有」という事実がなかったにもかかわらず、小泉純一郎内閣はイギリスのブレア政権とともに事態を十分検討せず、アメリカに追随する姿勢をみせた。同時に小泉首相は「憲法9条があるから海外支援ができない」と、憲法九条に対する敵意を露わにした。
 「日本国憲法はいま、大きな試練にさらされています」「アメリカのイラク攻撃と泥沼状態は、紛争の武力による解決がいかに非現実的であるかを日々明らかにしています」 「アピール」に込められた呼びかけ人の危機意識の表明から始まった九条の会を、マスコミはまともに取り扱わず、記者会見(2004年6月10日)の翌日の新聞は一段のベタ記事でしか報道しないという無視同然の姿勢であった。
 この状況を変えるため、呼びかけ人は精力的に講演会に赴き、九条の精神を訴え、平和憲法の維持を呼びかけた。講演会は全国で開催され、翌2005年の憲法記念日には、全国で3500の「九条の会」が結成された。
(「ねりま九条の会」は練馬区内人の識者の呼びかけで2004年11月24日に発足)。

■「在任中の改憲実現」を唱えた安倍政権との闘い

 次に小森さんは、安倍前首相は第一次内閣の発足から「首相在任中に憲法改正を実現する」ことを宿願とし、改憲の策動を次々行ってきたが九条の会は「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万署名)、「改憲発議に反対する全国緊急署名」と、街頭などでの宣伝を旺盛に展開し、それが「改憲反対」や「憲法改正は急ぐ必要はない」という世論とあいまって、「安倍改憲」の阻止につながったと述べました。さらに、九条の会などの護憲団体、市民、野党の協同の発展について、次のように述べました。
 2014年年末には、「九条の会」、「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」、「戦争させない9条壊すな!憲法壊すな!総がかり実行委員会」が一致して運動を進めていくことを確認し、2015年9月の新安保法制(戦争法)制定後も、「戦争法を廃し、安倍改憲に反対する」運動が進めたことは大変重要である。それが「国民と野党の協同」を引き出し、2016年と19年の参議院選挙の1人区全区での野党統一候補擁立につながった。その結果、1人区でそれぞれ11人と10人が当選を果たし、「安倍改憲」を阻止するという成果を生んだ。
 
■運動の前進を新型コロナウイルス感染拡大の下での国民の不安の解消に生かそう

 最後に小森さんは、現在日本でも多くの人が、新型コロナウイルス感染下で命が危険にさらされ、生活の不安に苦しんでいるなかで、日本国憲法の3つの基本原理である「基本的人権の尊重、平和主義、国民主権」を生かし、国民の危険と不安を克服していくことが求められていることを強調し、こう締めくくりました。
 最大の軍事力を保有するアメリカで、世界で最多の新型コロナウイルス感染死亡者が出ていることは、兵器がそれを食い止めるのに何ら役に立たないこと証明している。またトランプ大統領の言いなりになって、兵器の爆買いを行っている自民党政権は、さらに「敵基地攻撃論」を唱えるまでエスカレートしている。一方、重装備をしている自衛隊は、世界で最良の災害救助力を有している。五十嵐さんもおっしゃるように、「防衛省を防災省に変える」、こういう発想が求められている。
 九条の会が発足したとき、「サンデー毎日」は「会員の平均年齢は75・6歳」と書いた。その状況はいまも変わらず、「九条の会は後期高齢者の会」ではある。しかし、コロナ禍で苦しんでいるのは若い世代も同様であり、若い世代の「勉強ができない」「解雇された」などの苦しみと高齢者の苦しみの基因は共通である。その基因ともいうべき、菅「安倍継承」政権に代わる政権の実現をめざし、ともに奮闘することが求められている。                                      (文責 勝山 繁 九条の会事務局員)

 

 

PTSDの日本兵と家族の交流館・村山お茶飲み処」で実現したい事          黒井 秋夫

 「日本兵のPTSD」を課題に掲げる活動組織は「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」が日本最初で唯一であり、その資料館も「PTSDの日本兵と家族の交流館・村山お茶飲み処」しかないと言う事実がこの問題の困難さ、底深さを物語っています。
 私の父・黒井慶次郎(1912〜1989)は20 歳で徴兵され34 歳で復員するまで 2回従軍しました。(1932〜1934、1941〜1946)。彼は戦争体験含めて、一日中口を開かず、笑顔のない暗い人間でした。復員後の彼は定職を持たず、出身地山形県近在の工事現場の日雇い労働者で、暮らしは貧乏でした。家族に降りかかる問題は、いつも妻や私・黒井秋夫より7歳年長の長男(1941〜2017)に押し付け、無責任で中学、高校と進むにしたがい「父のような男には絶対なるまい」と思うようになり、相談をしたり、尊敬の念を持つことも終生ありませんでした。情愛が通いあう親子関係はありませんでした。
 2015年12月、私は妻と乗船したピースボートの船内企画でベトナム戦争のアメリカ軍帰還兵、アレン・ネルソンさん(1947~2009)のDVDを見ました。「戦場体験で心が壊れてしまった。恐ろしい光景が夢に出てくる。昔の自分には戻れない」と沈痛に話すアレンさんと父親の無口な暗い顔が、その瞬間に重なりました。
 父親も戦争体験で心が壊れ、元々の自分に戻れない別人になった黒井慶次郎を、本来の父親と見間違っていたのではないか!それは雷に打たれたような衝撃でした。それから「父と暮らせば」として従軍した父親を語る交流会を船内で3回開きました。
 その中で、ある女性の父は特攻隊でしたが、出撃数日前に終戦の8月15日となりました。普段は普通なのに、スイッチが入ると妻(話し手の母)に暴力を振るいました。90才を越えて認知症を発症し、病床で戦友の名を呼び「○○よー、俺は卑怯者だ。許してくれえ!」と元の兵士に戻り、叫びながら亡くなりました。またある人の義弟は戦争前、働き者だったのに、復員後は徘徊の毎日で「ふうてん」と呼ばれていました。そういう実例からPTSDの日本軍兵士の存在を初めて知り、これを歴史に埋もれさせず、多くの人たちに戦争の真実を知らせたい、という思いから、私は2016年3月に「亡き父と二人三脚で日本軍兵士のPTSDの語り部になりたい」と皆さんに宣言し、下船の2年後、2018年1月 日に「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会=以下、語り合う会」を立ち上げました。以降5回の学習交流会を開催し、日本兵のトラウマの研究者、中村江里(慶応大)さん、北村毅(大阪大大学院)さんの講演や参加者どうしの体験交流会を実施しました。2018年に放映されたHNKの「隠された日本兵のトラウマ~陸軍病院8002人の病床日誌」が反響を呼び「語り合う会」ホームページの閲覧者の数が跳ね上がりました。
 私は2015年に、前立腺ガンの摘出手術をしましたが、2019年8月に再発し、2か月間放射線治療を受けました。
 また心臓頻拍のために12月に手術を受け、自分が健康なうちに「語り合う会」を形あるものに残したいと「PTSDの兵士の資料館」建設を思い立ち、20201月に着工、5月10日に「PTSDの日本兵と家族の交流館・お茶飲み処」を開館しました。


お茶飲み処は

①PTSDの復員日本兵と家族」の声、情報を発信します。
②「PTSDの日本兵と家族」の心の傷が癒される交流を続けます。
③子供たち、高齢者、地域の人たちが集い笑顔溢れる交流を作ります。
④日本から中国、朝鮮半島、アジア、世界に平和と仲良しの虹の架け橋を渡します。以上4項目の目標を掲げています。
 5月10日の開館以来、9月30日までに187人が来館されました。来館者にはそのつど、展示パネルの説明をしています。
 8月23日の「お茶飲み処主催の村山うどんを食べる会」に参加した中国人女性(中国師範大学大学院教授、現在、桜美林大学講師)が公主嶺出身と聞いて驚きました。
  歳で徴集された父親の初任地が公主嶺なのです。父親の引き合わせと直感しました。「悪いことをしたと私の代わりに謝ってくれ」と言っている父親の声が聞こえました。
 私は先生に「あなたのご両親、村の人たちに父親がなしたであろう殺害など非道な行為と多大なご迷惑を息子である私は心から謝罪します。どうぞ父親を許してください」と謝罪しました。先生は私の手を握り「日中友好、日中友好!」と返してくださいました。その後先生から次のようなメールが届きました。
 『お父様の代わりに謝罪して下さったことに、中国人として、とても感激しました。あの戦争は指導者の責任だと思っています。お父様は普通の庶民として、戦場に行かされたのであって、お父様の責任とはいえません。お父様は加害者であったけれども、被害者でもありました。国境や民族を超えて、平和な社会を作るために、お互いに協力し、頑張って行きましょう。中国に黒井さんの活動を伝えたいと思いますし、民間レベルでの平和のための活動にお互いに頑張っていきましょう。』
 私は先生のメールを額にして仏壇の父親の写真の目の前に飾りました。
 お茶飲み処には小中学生の来館が増えています。その為、児童図書コーナーも作りました。5年後、10年後の子供たちの成長が楽しみです。そこから語り部の後継者が生まれるかもしれません。
 2020年は「語り合う会とお茶飲み処」が全国20の新聞社に 回(1016万世帯・全国20%)紹介されました。日本兵のPTSDへの社会の関心の広がりを感じています。
 現在、海外派兵された自衛隊員にもPTSDが発生し、50人を越える自殺者、病床から起き上がれない自衛隊員も出ています。兵士のPTSDは現在進行形、未来形の日本の問題でもあります。「語り合う会・お茶飲み処」は「誰もが安心して暮らせる平和な社会」をめざして活動を続けます。

   
  資料館の展示室            小学生の皆さんのコーナー

ホームぺージhttps://www.ptsd-nihonhei.com
 ☎ 080-1121-3888(代表・黒井秋夫)  
 Email qqkc6av9@ceres.ocn.ne.jp 
連絡先 〒208-0001 武蔵村山市中藤3-15-4

 

 

自助・共助・公助 ─「自己責任」は国の責任放棄!
「巷の歌はどんな歌、コロナでバイトを首になり、3度の食事を2度にする、シングルマザーの命の歌だ」。新型コロナウイルスで仕事がなくなり130万人の失業者が出ています、これからますます増えるでしょう。これは自分の努力不足のせいではない。しかし菅義偉新首相は、「これからの社会は自助、共助、公助、絆、規制緩和」を目指すと看板を上げました。これは、困っても自分で何とかしなさい!それでもだめなら親せき、友人、会社が面倒見て!それでもだめな人だけ国に来なさい!と国は最後なのです、これが新自由主義の考え方。絆とは日米同盟のこと、規制緩和とは、金もうけのためなら人の命や環境保護の規制を緩めてよい、金持ちと、大企業のもうけを保障し、アメリカ言いなりの軍拡路線を突き進むことを宣言しました。何のために税金を取り、何のために政治はあるのか。本来、金のある所から税金を取り、飢えて困る人をなくす、軍隊は持たず紛争は外交で解決する。防疫と防災、教育、個人を大切にする政治が憲法の示す本来の政治のはず。しかし現実は逆であり、これは明確に憲法違反です。 
しかし国民は、自分の努力不足、自己責任だと思わされてきました。不当なものに抗議し、団結して闘い、政府には個人の幸福補償の義務があることを教えられずに来ました(憲法 13条)。学校教育で競争させられ、成績で進学校が決まり、職場に入れば正規と非正規の差は歴然、男女差別、正規も能力・成績で地位と給料に差がつけられ、年寄りと若者は年金問題で分断され、公務員と民間労働者を分断、自己責任論で国民がいろんなところで差別・分断されてきました。その陰には財界と組んだ政府が、教育を企業に役立つ人材づくりに変質させ、人材派遣法を全職種に広め、残業手当を払わなくてもよいようにし、福祉も社会保障も企業にとって無駄なものと切り捨ててきました。安倍政権下で、2 年に1度生活保護と介護保険と医療が削られ、年金が自動的に削られ、教育予算は削られてきました。国は大企業優遇処置の理由を「大企業が潤えば国民におこぼれが行く」と。それは真っ赤なウソでした。この20年間で労働者の賃金は5パーセントマイナス、他方、大企業の内部留保は490兆円に膨らむ、金もうけのためには人の命も環境破壊もいとわない、これが新自由主義です。だからその先頭に立つ安倍首相や菅新首相は民主主義とは全く無縁で、人の血が通っていないと言われるゆえんです。
新型コロナウイルスの下でこれまでのやり方が根本から問い直されています。どんなに武力を拡大してもコロナには勝てない。国連は一時停戦を呼びかけました、戦争はコロナ被害を拡大するからです。核兵器禁止条約はあと4か国が批准すると国際条約として成立します。大国支配の時代から小国が団結して世界を変える時代になってきました。トランプも感染しましたがアメリカ、ブラジル、イギリス、スペイン、イタリアなど、コロナの被害は新自由主義国に多く表れています。日本は防衛予算を増やし、医療、福祉、社会保障を削ってきた付けが回っています。国立病院や保健所を削ってきたため、パンク寸前になっています。冬に向かって政策を改める必要があります。WHOは先進国に新型コロナウイルスのワクチンを貧しい国にも補給することを求めました。
 そうしなければ第3波、4波の襲来を避けられないからです。
 また国連はコロナ対策として、格差解消と環境保護を呼び掛けています。自己責任から支え合いの社会、自然破壊から環境保護、一握りの生き残りから人類の共存へ、これが政治の大争点となってきました。
 この冬にも解散総選挙が行われそうですが、安倍晋三のピンチヒッターの菅義偉政権を倒して新しい政治を実現するチャンスです。立憲民主党も新自由主義からの脱却を掲げました。市民と野党の統一が実現すれば逆転も可能です。9条の会は世界の流れの中で日本国憲法を道しるべに、世界の幸福と平和を束ねる一役を担ってまいりましょう。


広がるオンライン集会   ZOOMミーティング体験記

 こんにちは! 桜台九条の会の松下です。私たちがZOOMに取り組んだ経験を報告します。
私たちは今できることを着実に積み上げていこうと、毎月1回練馬駅頭で『安倍9条改憲NO!改憲発議に反対する全国緊急署名』に取り組んでいます。
 今年は1月18日、2月22日、3月24日と取り組んできましたが、新型コロナ感染症が広がるなか、駅頭に立つことも、お互いが直接会うことも難しくなってしまい、会としての活動が完全に中断されてしまいました。「私たちの会は意思疎通が命!このままではいけない」と思い、4月下旬、メンバー間でZOOMミーティングをしてみようという話が出ました。
 桜台九条の会でミーティングに参加できる人数は6〜7名です。この中でZOOMを使いこなしている方は1名、なんとか使っている人が3名、残り3名がその時点でZOOMを使ったことがありませんでした。「この際必要だからやってみよう!」 みんなこの気持ちになり、まずは4月 日にお試しを行いました。その際に武蔵大学の学生さんが作ったZOOMのマニュアルを共有しました。
 最初は声が上手くうまくできなかったりもしましたが、最後には解決し、ネット越しでしたが話し合える喜びを痛感しました。ただ、お一人だけ、スマホの回線の容量が不足で、ZOOMが困難な方がおられました。残念。
 その後、5月3日と 日に、ZOOMで今後の予定の打ち合わせを行いました。実際に会わずとも、十分な打ち合わせはできたと思います。ZOOM参加ができないメンバーには、メールで話し合いの内容の連絡を必ずするように心がけました。
 新型コロナ感染症の中でZOOMがあって本当に助かりました。第一に人間関係がある程度でき上がっている仲間同士の間ではZOOMでの意思疎通は全く問題がありません。次に会場の予約が不要で、出席者が移動しないで済むのが助かりました。
 桜台九条の会としては、今後ZOOMやYouTubeによる憲法カフェなどの可能性も探っていきたいと思っています
                                               桜台九条の会   松下光雄

日本学術会議会員の任命拒否は憲法違反!

任命されなかったのは、この6人の研究者です。
松宮孝明・立命館大学教授(刑事法)
小沢隆一・東京慈恵医科大学教授(憲法学)
岡田正則・早稲田大学教授(行政法)
宇野重規・東京大学教授(政治思想史)
加藤陽子・東京大学教授(日本近現代史)
芦名定道・京都大教授(キリスト教学)
 小沢隆一さんは練馬に講師として来ていただいたことのある九条の会の事務局員でもあります。今回任命を拒否された6名は、いずれも、思想信条の自由、人権の尊重に深く関わる研究分野の研究者たちです。
 会員選出法が今の形になったのは、中曽根内閣による2004年度の法改正を経てからですが、当時の内閣官房総務審議官は「実質的に首相の任命で会員の任命を左右するということは考えていない」と国会答弁をしています。これに対し、加藤官房長官は「内閣総理大臣の所轄であり、会員の人事等を通じて一定の監督権を行使することは法律上可能」との見解を述べ、過去の政府見解とは齟齬が生じています。当時の学術会議会長だった黒川清さんは「びっくりした。まずいね、これは恐怖政治ですよ」と言います。
 また任命拒否をされた松宮孝明教授は、「日本学術会議法は第3条で独立を宣言している」「学術会議は学術行政について政府に勧告権をもっているが、独立性がなくなれば、政府がこう言ってくれということしか言わなくなってしまい、学問自体の独立や自由が公的機関では保障できなくなる」「菅さんは首相就任の時、『言うことを聞かない者はクビにする』というようなことを言った。学術会議の会員というのは建前上公務員ではあるが、選考基準がはっきり決まっているので、任命権者だからといって自由にクビにするなどできるわけがない。なぜなら、憲法23条の学問の自由を保障する必要があるからだ」と述べています。
 日本はいつから、政権にとって不都合な人間は許さないという度量の狭い社会になったのでしょうか。これでは香港人を痛めつける中国政府を批判することもできません。
 みんなで知恵を絞って「任命拒否」を撤廃させましょう!

 

 

 

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