115 号 2024年6月発行
軍拡より農拡を!
食料輸入を拡大する「食料・農業・基本法」改正
横山 昭三(農民運動全国連合会顧問)
◆食料自給率は %
テレビをつけると、どの局でもグルメ番組が大はやりで、食の危機など感じる余地はありません。しかし日本の農業は後退を続け、食料自給率はわずか ㌫に落ち込んでいます。ロシアのウクライナ侵略で食料は大幅に値上がりし、今も続いています。不測の事態が起きれば〝真っ先に飢える国は日本〟とさえ云われています。歴代政府が輸入を優先し、国内の農業をおろそかにしてきた結果に他なりません。
こんな時に農業の憲法とも云うべき「食料・農業・農業 基本法」の改定法案が出されました。当然、自給率向上に向かうことが期待されましたが、改訂案は〝食料自給率〟という文言をその他の指標の一つにして薄め、「向上」の責任を放棄するものとなっています。その上、食糧確保へ輸入を更に強化し、新たな輸入国の開発や輸入国への投資と援助まで条文に盛り込みました。
また、国内の農家向けには輸出向けの高品質の生産を後押しするという。海外の富裕層向けにものを作れというわけです。自国の自給率向上を棚上げにして「輸入と輸出に力を入れる」いったい誰のための農政でしょうか。
◆有事の際はイモを食え
また、改訂案では「食料安保」を打ち出し、関連法の「食料供給困難事態対策法」をセットで提出。有事の際は農家の作付けの変更を罰則付で行うという。カロリー確保のため花や野菜畑をイモ畑に変え、国民には一日三食イモ中心のメニューまで準備しています。戦前並みの「配給制・戦時食料法」です。
岸田内閣は敵基地攻撃の準備をし、自衛隊を米軍の指揮命令下に置くなど、戦争国家へ突き進む一方で、食料は更に輸入に頼り、いざとなったら国民にイモ食を強いる。国民の安全も命もないがしろにする政治の姿をあらわにしています。
いま、農村の現場は農業者の平均年齢が 歳を超え、 年後には ㌫が離農すると予測されています。そもそも離農が進むのは農業では食べていけないからです。欧米並みに農産物の価格と農家の所得を補償する仕組みがどうしても必要です。改定案ではこうした対策も、新規就農者への支援策も見当らず、もっぱら規模拡大と大規模経営の後押し、ロボットやAI活用などのスマート農業、遺伝子組み換え等に生産を委ねる危ういものばかりです。
◆食料問題解決の鍵は
世界は気候危機と食料不足に直面し、輸出を前提にした大規模、工業型農業では地球も人類も守れないことが明白になっています。生態系を生かした持続可能な農業(アグロエコロジー)とこれを担う家族農業(小規模であっても)が地球を冷やし、食糧問題解決のカギを握っているのです。ここに光を当てることこそ重要で、国連は「家族農業の 年(2019~2029年)」を設定し、今年はその折り返しの年でもあります。
ところが改定案では生産性の高い主業農家に「支援」を集中し、家族農業はその他の農業者の扱いで「配慮」の対象にしました。水路の泥サライや草むしりなど副次的な役割としてしか見ていません。世界の流れからも完全に逆行しています。
◆残念ながら法案は可決
法案は残念ですが、自民、公明、維新の賛成多数で押し切られました、しかし、 項目もの付帯決議が付く異例なものとなりました。法案の不十分さを示すと共に、この間の国民の声の一程度反映した結果でもあります。
今後、食と農の不安と矛盾はさらに増すことになるのは必至で、自給率向上へ向かうまともな政治への転換が強く求められます。
今回、練馬区の「ユースがめざす未来実行委員会」と「ねりま9条の会」の要請で学習会を行いましたが、多くの区民が関心を高め、農民連が提案する「自給率向上を政府の法的義務とすることを求め、る」署名の輪が大きく広がりました。掲げられた「軍拡より農拡を」「食料の自給こそ最大の安全保障」は国民共通の願いであり、この声を、「戦争はさせない」「9条を守れ」の声とともに一層高めて行こうではありませんか。
東京大改造と石神井公園駅南口再開発
勝山 繁・「ねりま九条の会ニュース」編集委員
◆霞が関ビル147m、Torch・Tower385m
明治維新、関東大震災、東京大空襲、そして2度のオリンピックで東京はかっての面影を留めないほど変貌しました。この変貌は2020年のオリンピック以後も続き、いま東京の各地で「100年に一度」といわれる巨大プロジェクトが100も組まれ、進行しています。
高層ビルの嚆矢(こうし)ともいうべき霞が関ビルが竣工したのは、 年前の1968年でした。地上 階、地下3階、高さは147m、延べ床面積は約 万5700 ㎡。これに対し、東京駅日本橋口に建設されるTorch・Towerは、高さ385m、地下4階・地上 階、延べ床面積は約 万3000㎡、霞が関ビルを見下ろす日本一の超高層ビルとなります。
総事業費は約5000億円、約2000坪のオフィス、商業機能や展望施設,住宅、ホテル、2000席のホールが計画され、完成は、 年前の1968年でした。地上 階、地下3階、高さは147m、延べ床面積は約 万5700 ㎡。これに対し、東京駅日本橋口に建設されるTorch・Towerは、高さ385m、地下4階・地上 階、延べ床面積は約 万3000㎡、霞が関ビルを見下ろす日本一の超高層ビルとなります。
総事業費は約5000億円、約2000坪のオフィス、商業機能や展望施設,住宅、ホテル、2000席のホールが計画され、完成読売新聞グループ、トヨタ不動産、鹿島、大成建設などが名を連ねています。多目的スタジアムの完成
が2032年、全体の再開発が完了するのにさらに6年を要する計画です。
◆明治神宮外苑の樹木伐採
国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会に「調査にビジネス活動が人権と環境に与える影響に対する意識の低さがある」、環境影響評価の世界的学会である(IAIA)日本支部からも「環境アセスメントの進め方に科学的な観点から問題がある」と指摘され、工事の中止を求められた「神宮外苑地区一帯の再開発にともなう樹木の大量伐採計画」。日本スポーツ振興センター(JSC)が実施する「新秩父宮ラグビー場整備・運営等事業」に伴う緑と自然破壊の計画です。
計画の推進企業は、鹿島を代表企業とする企業グループ「Scrum for 新秩父宮」で、鹿島、三井不
動産、東京建物、東京ドームが構成企業になっています。地下1階・地上7階建て、延べ面積は約7万㎡の屋根付きの全天候型スタジアムで、収容人数は約1万5500人。 年 月末の供用開始を目指しています。
◆中野サンプラザ跡地の262mビル東京大規模再開発は、ベイエリアや都心だけで進められているわけではありません。 中野駅周辺では、「西側南北通路・橋上駅舎等事業」と「中野4丁目北口駅前地区第1種市街地再開発」が進められています。特に後者は「中野サンプラザ」の建設が注目されています。ホテルや最大7000人収容の多目的ホールなどが入る低層棟とオフィスや住居、商業施設が入る高層棟からなり、野村不動産などが施工し、2028年度の完成を目指しています。
ところが、再開発にかかる事業費は2250億円から、建設資材や人件費の高騰で250億円も増え、2500億円となる見込みで、区と事業者は建設計画の一部の変更を検討、商業施設のフロアを減らし収益が見込める分譲住宅やオフィスを増やすほか、一部の工事費も減らして、今年度中に、都に事業の施行認可申請をし、サンプラザの解体を開始するということです。
◆石神井公園駅南口再開発を巡る裁判の経過
東京都都市整備局のホームページにある「再開発促進地区(2号地区)一覧」(*注)によりますと、練馬区の再開発促進地区は、次の5地区で施行区域面積は合わせて5.9haです。
・石神井公園駅北口・大泉学園駅前・練馬春日町駅西・大泉学園駅北口・石神井公園駅南口
*注 再開発地区の「1号市街地」は計画的な再開発が必要な市街地で、「2号地区」は1号市街地のうち、特に一体的・総合的に市街地の再開発を促進すべき規模の地区で、「再開発促進地区」とも呼んでいます。
5つの再開発地区のうち、注目されているのが石神井公園駅南口の地上35階、高さ100mの再開発です。練馬区では、2011年に住民との協議の結果として景観計画が策定され、その中に、石神井公園の眺望を建築物が妨げないよう、建築物の高さを抑える「景観形成基準」が設けられ、最高限度が35mと設定されました。
その後、再開発計画が持ち上がり、練馬区が2020年12 月に地区計画における高さ制限を原則50m、例外的な場合には制限なしとすると変更し、東京都はそれを前提として再開発組合(市街地再開発事業の施行区域内のすべての地権者で組織される法人)の設立を認可しました。
この認可に反対する地権者が2022年8月、「高さ制限の緩和は違法であり、東京都による『再開発組合の設立認可』も違法」として、都に対しタワーマンション等の建設を行う「再開発組合の設立」の取消を求めて東京地裁に提訴しました。しかし、原告地権者は、処分の取消訴訟が適法であっても、明け渡し請求やその後の工事の続行を止めることができません(執行不停止原則)。
これでは、再開発事業を行う側の「やったもの勝ち」になってしまいます。そこで、原告のために、執行不停止原則の例外として、一定の要件を充たせば判決が出るまで処分の続行をストップさせられる「処分の執行停止」という制度に則り、原告の地権者は執行停止の申し立てを行いました。
申立てに対し、東京地裁は3月13日、原告に「重大な損害が発生するおそれがある」と認め、執行発事業の施行区域内のすべての地権者で組織される法人)の設立を認可しました。
この認可に反対する地権者が2022年8月、「高さ制限の緩和は違法であり、東京都による『再開発組合の設立認可』も違法」として、都に対しタワーマンション等の建設を行う「再開発組合の設立」の取消を求めて東京地裁に提訴しました。しかし、原告地権者は、処分の取消訴訟が適法であっても、明け渡し請求やその後の工事の続行を止めることができません(執行不停止原則)。
これでは、再開発事業を行う側の「やったもの勝ち」になってしまいます。そこで、原告のために、執行不停止原則の例外として、一定の要件を充たせば判決が出るまで処分の続行をストップさせられる「処分の執行停止」という制度に則り、原告の地権者は執行停止の申し立てを行いました。
申立てに対し、東京地裁は3月13日、原告に「重大な損害が発生するおそれがある」と認め、執行停止の決定を下しました。執行停止の期限は、「再開発組合設立認可の取消訴訟」の判決が言い渡される予定だった5月 日(7月 日に延期)から3か月と設定されました。この決定に対し、再開発組合が被告(東京都)側に参加し、東京高裁に異議を申し立てる「即時抗告」を行いました。その結果、東京高裁は5月9日、一転して、執行停止を却下(取消)しました。
東京高裁が行った上記の執行停止の却下決定について、原告側代理人の福田健治弁護士は、以下のようにその不当性を指摘しています。
解体工事がどんどん進んでいき、スケジュールでは今年 月までに終わることになっている。取消訴訟の一審判決が出るのは7月だからまだ良いとしても、請求が棄却され控訴した場合、控訴審の判決が出る頃には、地域一帯は更地になっている。仮に裁判で違法が認定されたとしても、『違法だけども処分は取り消さない』可能性が非常に高くなる。このようなことが通るならば、街づくりをめぐる行政事件訴訟制度に欠陥があることになる。(以上「弁護士JPニュース」による)
◆経済的にも問題の多いタワマン
「市街地再開発は、民間主導で古い住宅や商店が密集する地域などを商業施設やマンション、オフィスビルなどに刷新する事業であり、国や自治体は住民に公共貢献を求める一方で、整備費の一部を補助。事業者は新たに生み出されるフロア(保留床)を販売し収益を得る」。これが再開発を進める自治体の方針であり、国もそれを援助しています。再開発計画で、住宅やホテル、ホール、さらに自治体の公共機関の施設や学校まで含めた複合建物を多く建てるのは、このためです。国と自治体が補助金を投じたうえ、建物の一部フロアを買い取り、地権者を再開発に引き込む手段ともいえます。
さらに、タワマンを購入する層の大半は、自分が住むためではなく、投資や節税を目的とする投資家や富裕層です。建築資材や工賃の高騰に加え、建設業界における2024年問題から ~ ㎡程度のマンションが1億円近くもするマンションを庶民が買えるわけがありません。
そうした庶民には縁の無い施設を自治体が税金を投じてまで再開発を進め、「東京大改造」を強行する小池都政を換え、都民本位、都民と野党共同の都政を実現させるため、蓮舫候補の当選に向けて奮闘しましょう。
私と憲法
前田 瑠(桜台九条の会・ねりま九条の会)
◆桜台九条の会への入会
桜台九条の会で昔からの地域の知人が活動していることもあり、子育てが多少落ち着いたことを機に入会をさせていただきました。 当会では、月一回の日本国憲法条文と自民党改憲草案を照らし合わせて行う勉強会と、週一回の練馬駅でのスタンディングを行っています。私自身は法律や憲法に関してはまったくの初心者です。しかしながら、勉強会での日本国憲法条文の読み合わせや事前の勉強を通して、法学の気高さとも言うべき歴史や、憲法条文の背景にある世界中の人々の血と汗と涙を知り、目から鱗の思いで最近の日々を過ごしています。
◆焼け跡世代である祖父母を持って
世代としてはいわゆる「ゆとり世代」である私ですが、祖父母は幼少期に第二次世界大戦を、そして戦後の日本国憲法施行を経験した「焼け跡世代」です。両親が共働きで「おじいちゃん・おばあちゃんっ子」であった私は、祖父母の戦中の苦労話を聞いて育ちました。いわく、「兄がレイテ島沖で戦死した」、「学童疎開先で幼くして父母と離れるのがとてもつらかった」、「軍国少年だったが、後に後悔のあまり戦中までの日記をすべて燃やした」、「大学の同級生が結核と栄養失調で死んだ」…話を聞いていた当時は不勉強で、「おじいちゃんおばあちゃんの時代から時代はずいぶん変わったんだね」という相槌を打つだけでした。
祖父が数年前に亡くなって以来、懐古の念と共に「祖父母が戦中・戦後の話をしてくれていたとき、どんな気持ちで話をしてくれていたのだろう?」という疑問がふつふつと湧いてきました。私が日本国憲法を学びたいと思う最も強い動機は、その疑問に私なりの答えを出したい、というものなのです。祖父母と、日本国憲法について直接話をした記憶はあまりありません。しかし、日本国憲法には祖父母の価値観を一変させた、あるいはその変化した価値観の奥底に眠っている経験を、今の私たちが理解する手がかりとなる大事な何かがあると感じるのです。
◆寅子から私へ―日本国憲法とジェンダー平等
現在放映中のNHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」の舞台にもなる御茶ノ水は祖父母にゆかりのある土地でもあり、毎朝テレビを観るたびに、当時の風景を通して祖父母が語り掛けてくるような気がします。ドラマの主人公、「寅子」のモデルである三淵嘉子は戦後女性法曹の先駆けで、最初の夫を戦争直後に亡くすという辛い経験をしながら、ワーキングシングルマザーとして時代を切り開きました。戦前、日本国憲法第 条1項では禁じられている「性別による差別」が民法を含む各種の法律によって制度化されていました。ドラマでの寅子がそういった法律や社会制度、あるいは人々の「常識」に疑問を持ち、自身の人生をかけて当時の社会に挑んでいくさまが描かれています。ドラマ中の寅子が日本国憲法、その中でも特に第 条1項の「法の下の平等」や第24条「両性の本質的平等」という概念に対してどう反応するか、これからの場面ですがとても楽しみにしています。
寅子の時代を経て、現代に生きる私はといえば、日本国憲法の施行を祖父母世代、「男女雇用機会均等法」や「男女共同参画社会基本法」の施行を親世代が経験し、私たち自身は学校教育の場をはじめとして、青少年期には男女平等の考えを当たり前のものとして受け入れてきました。しかし、ひとたび学校教育の場から出てみれば、社会には男女差別の残滓と新たな価値観、そしてジェンダー・バックラッシュまでもがないまぜになっているのが現状です。例えば雇用環境における男女平等の制度ひとつとっても会社の規模や職種によってさまざまな制度運用や慣習があり、日本社会での憲法の理念の達成はまだ道半ばであると実感しています。
ドラマを見ていると、現在の私たちの生きる社会の背後には歴史的な文脈があり、歴史の「過ち」を再び起こさないためには、その文脈を理解することが不可欠であると感じます。私たちの社会は、祖父母の苦しんだ「戦争」や、寅子が戦った「性別による差別」を経験してきました。日本国憲法はそういった歴史を私たちに厳しく突き付けるとともに、私たちや私たちの後の世代の未来を照らしてくれる存在なのだと感じます。
◆公明党の連帯責任
自民党と連立政権の一翼を担ってきたのが公明党である。公明党の山口那津男代表は自民党の裏金問題について、「同じ穴のムジナに見られたくない」と自民党に苦言を呈した」(産経ニュースメールマガジン23年12月21日)と、他人事のようにふるまうが、憲法の課税納税の原則を実行すべき税務行政をゆがめる問題に「ほおかぶり」は許されない。自民党と連立する公明党は国会に対して連帯責任がある(憲法第66条第3項)。
消費税法は、公明党の助けがあり1988年12月4日に成立した。消費税の導入は、第2次大戦後続いてきた直接税中心主義を破壊する、大企業減税、庶民増税など悪税推進の根源となった。
自公の悪政は留まるところを知らない。次期戦闘機の第三国への輸出を認めるかどうかをめぐっては、23年4月から、認める方針の自民党と、慎重だとされる公明党との間で協議が続けられてきた。何のことはない。24年3月15日、自民党の渡海政務調査会長と公明党の高木政務調査会長が国会内で会談し、輸出を容認することで合意した。
2024年都知事選挙 市民と野党の共闘で都政を変えよう!
◆都知事選が告示された
この知事選は小池百合子氏と蓮舫氏の激しい戦いの様相です。蓮舫さんは( 歳)は「8年前の小池さんは、自民を倒すと格好良かったが、最近は、自民党の候補者を応援、自民返りの姿勢は理解できません。政治と金の自民党延命に手をかす小池都政をリセットする」さらに「市民と野党の共闘をベースに、反自民、非小池都政のオール東京の枠組みで支援いただきたい」と市民、共産党などとの信頼関係を大事にすると言明しました。蓮舫さんは参議院議員を辞し、私たち市民と野党の立候補要請と、400項目の要望を受け止め、誠実に実現を目指すと、力強く決意されました。この選挙は傍観者でなく、私たちの要求を実現するか、ゼネコンなどの財界の再開発優先かの選挙となっています。
◆影響を持たらす選挙の結果
都知事選挙の結果は、来年の都議選、参議院選、総選挙、さらには2年後の練馬区長選挙、全国的な市民と野党の共同の実現に大きな影響をもたらすことは明らかです。弱肉強食の新自由主義から、新たな公共の再生の転機になります。
岸田政権は任期中の改憲を公約しています。自民だけでなく、維新、国民民主党が緊急事態下の衆議院議員任期延長の改憲を声高に叫び、戦争する国にしようとしていることに対するNОの回答になります。
東京都知事は国際的には総理大臣に次ぐ日本の 2とみられる地位にあり、その発言は大きな影響力があります。小池知事はカイロ大学卒業をエジプト大使に頼み込み、「証明書」発行してもらいましたが、エジプト政府に弱みを握られてるということです。自分の名誉のために、東京都の利益が損なわれることがありうる、許されますか。
◆再開発で苦しむのは都民
再開発によって、地価が上がると、固定資産税と家賃が上がります。家賃が上がると商品価格も上がります。都内全域での再開発で、高家賃高物価。都政に責任があります。
麻布台ヒルズ323メートルのマンションと、隣の250メートルの最上階は200億円、坪4500万円だという。その三井不動産に都庁幹部が9人も天下り。地震に強いと言っても、水道、下水管はつながっている、外で破損すれば、もらい水になる、どうするのだろう。また莫大な電気を使うので、温暖化は他に影響を与える、千代田区の温暖化はプラス 度と、ととびぬけており、再開発は多くのひずみを生み出します。石神井公園駅前再開発は メートルの高さ制限を、こっそり練馬区が100メートルに緩和したため、裁判では判決に影響が出そうです。
◆スエーデンにできることは東京都にもできる
東京都の人口、財政はスエーデンと同じです。スエーデンの恵まれた教育、医療、福祉、男女平等。憲法を活かす政治の実現は夢ではありません。 外交は政府の特権ではありません。東京都は北京やモスクワと姉妹都市、その立場から平和と友好の取り組みを行うことができます。
◆5兆円の基金を都民のために
どうする東京練馬区民集会では 団体の要望が出され、5・ の都知事選政策決起集会では、都内 団体の切実な要求と運動が熱く語られました。5兆円もの都の基金は東京都職員、教員の人件費削減と、法人税の増収、福祉、医療などの切り捨てによるものです。蜜に群がる財界を振り払い、都民のために使うことが本来の都政です。知事選はまともな都政に還す闘い。ねりま九条の会は独自のチラシを作ります。ぜひ配布に協力を、また声掛けをして、投票率を上げましょう。また市民選対事務所に来てください
今度の知事選は、知名度の選挙で終わらせない、私たちの要求を実現する選挙です。願いを候補者に託し、当選したら必ず実現してもらう。政策協定をみんなの声で豊かにしましょう。
大柳武彦(ねりま九条の会)
武田美通・鉄の造形「戦死者たちからのメッセージ」全作品展IN ねりま 開催を終えて
坂本幸子(武田美通・鉄の造形展 実行委員長)
昨年7月に文京区にある文教シビックセンターギャラリーに於て私が所属する、武田美通・鉄の造形・戦死者たちからのメッセージを広める会(略称・広める会)の主催で全作品展を開催いたしました。
5日半の日程でしたが、子どもからお年寄りまで沢山の方々に鑑賞いただき大変好評をいただきました。武田さんの略歴はチラシに載っていますが、小樽の教員夫妻の長男として生まれ、 歳の軍国少年として敗戦を迎えた事、母親は絵が上手だった事、演習中に自宅に分宿した
「優しい日本の兵隊さん」が還って来なかったのはなぜかとずっと考え続けて来た人であったことなどは作品に表れていると思います。骸骨でも作り手の心が籠っているので訴えるものがあり、心を揺さぶられずにはいられません。何度でも見たい作品です。一人でも多くの人にこの作品群を観て欲しいと思っています。練馬でもやって欲しいという声があり、それに応えて、5日間連続(最低でも5日間は欲しい)して取れる場所と日程を探しました。 それにはねりま九条の会の協力が欠かせませんでした。練馬駅に直結ともいえるココネリホール全面を5日間、平日でしたが押さえることができました。 そして今年に入ってから実行委員会形式をとり、広める会との共同で全作品の展示会を開催することになりました。広める会のメンバーは何度も様々な場所で開催経験がありますが、練馬では見たことも、触ったこともないメンバーもいましたので大丈夫なのかと心配されました。しかし広める会のメンバーはいつでも協力的で、作品も熟知していますので、心配には及びませんでした。広める会のメンバーは本当に遠方から応援に駆けつけて下さり、大変感謝しています。
そして何より広める会事務局長の仲内節子さんの精力的な働きで、広い会場にギャラリートークの場所を設定し、宣伝も兼ねトークをして下さる講師の方々をお呼びする事が出来ました。これは今までにない試みでした。二つ返事で引き受けて下さった講師に大変感謝しています。作品に絡めたお話は大変興味深く、作品の理解がより深まるものでした。ギャラリートークでは予約がいるのかなどの問い合わせもあり、作品と相まって興味を持たれた方もいらっしゃいました。
実行委員会では宣伝は主に練馬が担当し、様々な団体へのチラシ折り込み、ココネリから送ってくれる各地域区民館へのチラシ置き、区報の「みんなのひろば」への掲載、一般紙にも数紙にチラシ折り込みをいたしました。高校前でのチラシ撒き、街頭での宣伝(桜台九条の会)、お寺、教会、SNS、FB、個人でも何人もの人がチラシの拡散に協力して下さいました。
また開催初日の午前、まだ準備が終わっていない中、東京新聞の記者の方が取材に訪れ、写真を数枚撮り仲内さんに取材し、翌日の新聞に大きく掲載してくれました。そんな甲斐があり、1000名を超える入場者を数えました。アンケートも今集計中ですが、 「作品から叫びが聞こえてくる、迫力があり、素晴らしかった、写真では伝わらない、かつて経験したことのない不思議な体験だった」等々感想をいただきました。武田さんの思いが伝わった気がします。多くの方々のご協力で大成功だったと思います。これからもしっかり、宣伝していきたいと思いますし、保存場所(現在情報を求めています)も良い所が見つかる事を願っています。そして後を繋いでくれる人にバトンタッチして、武田作品を守り伝えていけたらと願っています。